今日も泡盛！

先日ラーメン屋で読んだ雑誌に
「アメリカ人のクシャミは『アチュウ』です」
と書いてあった。


アチュウ。

って、


アッ　アッ　アッチュウウゥゥゥゥ！アーハーン！チクショウめ！

という男らしいアチュウなのか、猫のクシャミのように

アチュン★

という可愛いアチュウなのかわからないが、なんか衝撃的。


私の場合、残念ながら、父のクシャミが「だああぁぁぁぁぁぁっしゃあああ！！！」、母のクシャミが「あ゛あ゛あ゛～～～～～っしょいあ～～～い！！！ちーーーーん！！！」という素晴らしさだったため、小学校の頃まで、クシャミとはこのように豪快に思いっきりするものであると信じていたし、実践していた。
（ちなみに母の最後の「ちーーーん！！！」は何かよくわからないと思うが、私もいまだに何がなんだかよくわからないが、これは鼻をかむ音などではない。母はクシャミをすると、両手の人差し指を天に高々と挙げ、チーンと発声するのである）








それがアナタ。
中学に入ると、とたんにみんなが色気づきますわね。
わたくしももれなく色気づき、前髪がどうとか眉毛の形がどうとか気になるようになったんですけど、ある日友達のクシャミを聞いて腰が抜けるほど衝撃を受けました。







ちゅん！


ですよ、ちゅん！


私が、「だあぁぁぁぁっしょいあ～～～～い！！ちーーーん！！！！」という、父と母から受け継いだ迫力のあるクシャミをしている間に、同級生は「ちゅん！」ですよ、「ちゅん！」

泣いた。
なんて可愛いクシャミをするのか、彼女は…！
それに比べて俺様のクシャミはなんだ…！ちーーーーんってなんだ…！！！
その後よくよく観察したところ、女の子たちはほとんどみな、一様に可愛らしいクシャミの仕方をマスターしていた。
なにそれ置いてかないで！
これはやばい。ひとりで男らしいクシャミをしていた。
前髪とか気にする前に、このクシャミをなんとかしなくては。


ようやくその事実に気がついた私は、以来「ちゅん！」を目指して血のにじむような特訓を重ねた。

同級生女子がクシャミをするたび、さりげなく横目で、どういう構造で音を出しているのかガン見。
結果わかったこととして、彼女たちは口などあけないということである。みんな鼻からチュンという音をだすのである。

ア～ハ～ン、オールオーケー。
ここまでわかればマスターしたも同然。
クシャミをするときは、口を閉じて、鼻でちゅん！だ。

そしていよいよ、私は授業中にクシャミをもよおしたのであった。

ようし、俺のクシャミを披露する場がきた。
みていろおまえら。
私は息を吸い込むと、口を閉じ、「ちゅん」というつもりで鼻を鳴らした。

結果、私が聞き、見たものは、

「ブーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！」

というすさまじい音と、鼻から勢いよく飛び出した大量の鼻水であった。


しばらく教室内には静寂が訪れたのち、隣の席の男子が無言でポケットティッシュをくれた。

惚れた。



結局、ちゅん！は今年2010年になっても未だマスターできていない。
でも、ちゅん！はできないけど、加藤茶の「イ～～～ッキシ！！」はできるようになった。
だからいいんだ。ふん。なにさ。


ところで昔の人は、クシャミをすると鼻から魂が抜けると思っていたんだって。
それが本当なら、いや、江戸時代の人がそう言うんだから間違いなく本当なんだと思うんだけど、あの時、中学の授業中にクシャミをしたあの時、私の鼻から大量に出たものは、鼻水ではなく魂だった、という事になる。

しまったよ。
ティッシュに包んで捨てちゃったよ、大事な魂を。


そういう訳なので、今後、私が何か悪いことをやらかしてしまったとしても、
「いやあ、仕方ないんですよ、実は中学の時に鼻から魂が出て、しかも捨てちゃったんで」
と言い訳しようと思う。


ですからみなさんも、私のことを「なんだこいつ」と思った時は
「仕方ないな、この子は中学の時に鼻から出た魂を捨ててしまったかわいそうな子なんだから」
と思っていただければ幸いです。





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